(vitro)抗酸化、抗炎症作用による妊娠の悪影響の防止効果(2024.Jun)

【研究の背景】
妊娠中には、酸化還元シグナル伝達に関与する活性酸素種(ROS)の正常な生理的生成があり、これは発達過程にとって極めて重要とされている。
酸化ストレスは、妊娠中毒症、胎児発育不全、流産、妊娠糖尿病、早産などの生殖合併症の病態生理学における重要な因子として認識されているなど、多くの妊娠関連疾患に関係しており、日常の食事に含まれる植物の二次代謝産物は、これらの疾患を予防する効果的な治療薬となる可能性がある。

【研究の目的】
酸化ストレスのin vitroモデルにおいて、ROS産生、脂質およびタンパク質への酸化損傷のマーカー、抗酸化酵素の活性、炎症誘発性サイトカインの産生に対するタキシフォリンの効果を調べることで、その作用機序をさらに明らかにする。

【結果】
タキシフォリンがO2にさらされた栄養芽細胞における脂質とタンパク質への酸化ダメージと炎症誘発性サイトカインの生成を弱めることが示され、タキシフォリンの抗酸化作用と抗炎症作用のさらなる証拠となった。その潜在的なメカニズムには、おそらく ROSの除去と抗酸化酵素系の調節が関与している。しかし、栄養芽細胞におけるこれらの特性の根底にある分子経路、および健康な妊娠に不可欠なその他の機能プロセスへの影響については、さらに評価する必要がある。私たちの結果は、O にさらされた栄養芽細胞における脂質とタンパク質への酸化ダメージと炎症誘発性サイトカインの生成を弱めることが示され、タキシフォリンの抗酸化作用と抗炎症作用のさらなる証拠となった。その潜在的なメカニズムには、おそらく ROSの除去と抗酸化酵素系の調節が関与している。

【結論および応用可能性】
タキシフォリンは栄養膜細胞において顕著な抗酸化作用および抗炎症作用を示し、その保護効果のさらなる証拠となり、妊娠の悪影響を防ぐ治療薬としての可能性を示した。

※栄養膜幹細胞株(TS細胞)
胎盤の発達に重要な細胞で、これらの細胞は、受精卵が成長する過程で、胎盤を形成するために分化する栄養外胚葉(栄養外胚葉)という部分を形成し、胎児と母親の間で栄養や酸素を交換する役割を担っている。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0890623824000522