スポーツとタキシフォリン

秋といえば、食欲やスポーツを連想する季節ですが、秋に備えての健康対策も重要です。涼しくなる秋には、夏と比べて水分摂取量が減りがちです。また、空気が乾燥し始めるため、体の内外で潤い不足になりやすく、喉の渇き、咳、肌の乾燥、便秘などの症状が現れることがあります。特に更年期以降の女性に多いですが、男性も加齢とともに体の水分量が減少するため、いわゆる「かくれ脱水」に注意が必要です。
また、秋はスポーツに最適なシーズンですが、体力を向上させ、メンタルヘルスに良い影響を与える一方で、過度な運動は逆にストレスの原因となることがあります。例えば、過剰な運動は筋肉が回復する時間を持てなくし、慢性的な筋肉疲労や痛み、けがの原因となります。また、長時間の激しい運動は免疫系に負担をかけ、冬に風邪やインフルエンザにかかりやすくなることがあります。これもストレスを増やす要因となります。
ストレスは炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNFなど)の分泌を促進します。炎症性サイトカインは、菌やウイルスに感染したり、怪我をすると放出されて体を守る役割を果たしますが、慢性的なストレスにより過剰に活性化されると、身体や精神の健康に悪影響を与えることがあります。また、運動によって分泌されるエンドルフィン(幸福ホルモン)が過剰になると、一時的な「ハイ」状態を引き起こし、運動後に「運動後うつ」を感じることがあります。

では、どうすれば良いのでしょうか。水分補給は、のどの渇きがなくても日常生活の中で1日数回にわけて意識的に行うことと、スポーツをする際には多めに摂取しましょう。
ストレス対策としては、自分の限界を理解し、バランスを保ちながらスポーツを楽しむことを心掛けることが大切です。スポーツの後に気分の落ち込みが起きる人は、運動の強度や頻度を自分の体調や体力に合わせて調整したり、運動前に筋肉や関節をほぐすような軽いウォームアップを行ない、運動後には必ずストレッチや軽い運動をしてクールダウンを行なうことがおすすめです。
ストレスの原因となる炎症サイトカインを抑えるためには、オメガ-3系脂肪酸や抗酸化物質を豊富に含むサプリメントや食事、繊維質を多く摂ること、スパイスやハーブの活用、トランス脂肪酸を避けること、加工食品や砂糖(果糖液糖)の摂取を控えることが大切です。これらの食事の工夫によって、炎症のリスクを減らし、健康を維持することができます。

タキシフォリンは、過剰な炎症性サイトカインの産生を減少させることが報告されています。
(Piao MH, et al;Inflammopharmacology. 2022 Aug;30(4):1335-1349)
また、タキシフォリンは、うつ病モデルマウスの実験で、酸化ストレス、神経炎症、神経変性を軽減しうつ病症状を改善したことが報告されています。(Maha Mir,et al.Heliyon,2024,Apr.27;10(9)