感染症対策とタキシフォリン
感染症の代名詞だった新型コロナは2023年5月には新インフルエンザと同じ第5類に変更され、これに伴なってマスク着用や手洗い・手指消毒などの感染対策への認識や実施頻度が低下していると言われています。あれほど猛威をふるった新型コロナも1医療機関あたりの感染者数の平均値は一人程度となっています。
しかしながら、冬は、気温が低く湿度が低いことから、ウイルスや細菌が活発になるため、インフルエンザや風邪はもちろんですが、RSウイルスなどの呼吸器感染症と、ノロウイルス(感染性胃腸炎)、ロタウイルスによる感染性胃腸炎など様々な感染症が流行するため要注意です。
コロナ禍で2年以上にわたり他人と接する機会が減ったことにより、ウイルスや細菌との遭遇体験をもとに強化される「獲得免疫」が低下していることや、感染対策がゆるやかになったことが要因で、様々な感染症にかかる人が増えているそうです。
では、どうすれば良いのでしょうか。
ウイルス感染症対策として、手洗い、咳エチケット、うがい、湿度・換気など、基本的な感染対策を徹底しましょう。外出時には、ドアノブや手すりなどを消毒し、公共交通機関の利用は控えめにしましょう。特に、ノロウイルスは、食べ物や人から人へ感染するため、生ものを十分に加熱調理して食べるなど、食への注意も大切です。
ウイルスに感染しないためには、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、免疫力を高める生活習慣が重要です。さらに、腸内環境を整えることも効果的です。腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という様々な種類の細菌が共存しており、これらの細菌のバランスが崩れると、免疫力が低下し、ウイルス感染症にかかりやすくなる可能性があります。 腸には、体全体の約7割の免疫細胞が集まっており、腸内環境が良好な状態では、これらの免疫細胞が活発に働き、ウイルスなどの病原体を撃退しやすくなります。
腸内環境を良好にするためには、穀物・野菜・果物などの食物繊維の豊富な食物、ヨーグルト、キムチ、納豆、などの発酵食品などを使った食事メニューにすることや、腸内細菌の種類を増やしたり、腸のバリア機能を強化し、有害物質の侵入を防ぐなど、腸内環境を整える働きのあるポリフェノールを摂取することがおすすめです。

タキシフォリンは、腸管のバリア機能を改善することが報告されています
(Shaoying Gong, Jiachen Zheng ,et al: Food Res Int.. 2022 Aug:158:111502.)
タキシフォリンは、ビフィズス菌の抗炎症活性の増強とビフィズス菌による酢酸と乳酸の産生を有意に促進することが報告されています。
(K. Kawabata, Y. Kato, et al., Biosci.Biotechnol. Biochem., 79, 799 ,2015)
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