花冷えとタキシフォリン

「花冷え」という言葉がメディアで報じられる季節になりましたね。春分を過ぎたころから暖かい日が多くなりますが、桜の花の咲く時期に起きる一時的な寒さのことを言います。この時期は大陸からの移動性高気圧が日本の北寄りを進むため、低気圧が南岸を通過し、それにともなって北東の風が吹きやすいことがひとつの要因です。春はあたたかくなったり、寒くなったりするから、体調管理は特に注意が必要です。ただ、花冷えは桜の咲き進みがゆっくりとなるために、長く花見を楽しめるので悪いことばかりではありませんね。「花冷え」の時期は寒暖差だけでなく、冬の間の運動不足や進学や入社、異動などで環境変化が多くストレスを抱えがちで、自律神経の乱れが起きやすく一年のうちで体調を崩しやすい時期と言えます。

自律神経は、意識をしなくても自動的に機能し、血管、胃、腸、肝臓、腎臓、膀胱、肺、心臓、汗腺、唾液腺、消化腺など全身のあらゆる器官に関わっており血圧や呼吸数などを調節している神経系ですが、この自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが乱れると血行不良につながります。それは交感神経が活発な状態は、毛細血管の収縮を起こし内臓の血流まで悪化します。血液の流れが悪くなるということは、血液が体の末端まで届きづらくなるだけでなく、細胞に酸素や栄養素を届けたり、老廃物を回収したり、内蔵や筋肉が生み出した体温を皮膚表面に届けることができないことにより、肩こりやむくみ、冷え、生理不順、など、さまざまな体の不調が引き起こされます。

 では、どうすればいいのでしょうか。解決策の一番は副交感神経を活発にし、血管の緊張をとることと言われていますが、情報過多の日常の中で朝から夜遅くまでスマホやパソコンの画面を見ることで交感神経優位の生活をいきなり変えるというのは難しいようです。

自身の生活スタイルを棚卸して、リラックスと血流改善につながる行動、例えば、朝日を浴びる、ストレッチをする、ぬるめのお風呂に入る、深呼吸をする、ツボ押しマッサージをする、水分をまめにとる、なるべく階段を使う、職場ではスニーカーやサンダルに履き替える、など、できることからはじめるのが大切です。!

関連するタキシフォリンの働き

タキシフォリンは血管の太さや密度を大幅に増加させる(血管拡張作用)ことで、細動脈、細静脈、毛細管を含む微小な循環系の血流が改善される1)。
また、赤血球は毛細血管や臓器の中で無数の変形を繰り返しながら全身を巡りますが、その変形する力(変形能)を改善して血液の流動性を高める。2)
1)M B Plotnikov, O I Aliev, et al . Bull Exp Biol Med , 2017 May;163(1):57-60.
2)Н. А. Тюкавкина,ЛЕКАРСТВЕННЫЕ ПРЕПАРАТЫ НА ОСНОВЕ ДИКВЕРТИНА,61-71,2005)