(vivo)脳のアミロイド血管症における認知機能の改善(2017. Apr)

【研究の背景】
脳アミロイド血管症(CAA)は、血管内アミロイドβの蓄積により様々な形の脳梗塞や脳出血を誘発し、認知機能障害を加速させ、現在では治療不能であるとされています。可溶性のアミロイドβタンパク質は、初期段階のアルツハイマー病の認知機能だけでなく、脳血管の完全性を損なう可能性があります。
強力な抗酸化活性と抗糖化活性を持つフラボノールであるタキシフォリンは、in vitro でアミロイドβを分解することが報告されていますが、in vivo での関連性は不明のままです。
【研究の目的】
アミロイドβの凝集抑制を阻害することで、いくつかの消去経路を介したクリアランスが促進されるのではないかと考え、タキシフォリンがCAAの抑制に治療効果を発揮するかどうかをモデルマウスを使った実験(2群)で検証する
【結果】
タキシフォリン投与により全てのアミロイドβおよびアミロイドβ1-40の蓄積が有意に減少しました。
空間記憶はタキシフォリン投与後に改善し、普通のマウスと同等のスコアになりました。
さらに、タキシフォリンは、マウスの脳血流の減少と脳血管反応性を完全に回復させ、アミロイドβオリゴマーのレベルが大幅に低下したことを示しました。
【結論および可能性】
このことはタキシフォリンがアミロイドβオリゴマーの凝集を抑制し、CAAモデルマウスの認知機能と脳血管機能を完全に維持することを示唆しています。
これらのことから、タキシフォリンは、CAA の治療に有望な成分として期待できます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28376923/