(vivo)食後高血糖の上昇抑制 (2019. Jan)

【研究の背景】
糖尿病(DM)およびその合併症の有病率は、世界的に急激に増加しており、糖尿病の食後期には、血糖値が急激に上昇し、糖質代謝酵素であるα-アミラーゼが主に食後高血糖の制御に関与していることがわかっています。

【研究の目的】
アロキサン誘発糖尿病動物モデルを用いて、タキシフォリンの食後高血糖に対する治療効果およびα-アミラーゼ活性阻害作用を検証する
また、タキシフォリンと標準薬であるアカルボース(ACB)の標的酵素に対する結合親和性及びエネルギーを比較するため、分子動力学(MD)シミュレーション及びドッキングにより、タキシフォリンとα-アミラーゼ受容体の結合能も検討する。

【結果】
タキシフォリンは、アロキサン誘発糖尿病ラットの食後高血糖、脂質プロファイル、およびα-アミラーゼ、リパーゼ、C反応性タンパク質の血清レベルを、DM誘発およびアルカロボース投与のいずれかと比較して、用量依存的に有意に改善させました。
さらに、タキシフォリンは、アルカロボース投与アロキサン誘発糖尿病ラットに比べて、より効率的に抗酸化状態を高め、肝臓の正常な機能を回復させることも確認されました。
また、分子動力学シミュレーションとドッキングの結果、タキシフォリンの受容体への結合エネルギーと親和性は、アルカロボースと比較して有意に高いことが示され、タキシフォリンの治療ポテンシャルが検証されました。

【結論および可能性】
これらのことから、タキシフォリンが強力なα-アミラーゼ阻害剤であり、その抗炎症作用と抗酸化作用とともに、食後高血糖を調節する可能性があることを示唆しており、糖尿病治療に役立てられることが期待されます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30191607/