(vitro)胃潰瘍の治療効果(2021.Apr)

【研究の目的】
タキシフォリンおよびタキシフォリン含有胃粘着性微粒子(MPTax)の酢酸誘発胃潰瘍に対する胃治癒効果を検討する
さらに、タキシフォリンとH+/K+-ATPaseとの相互作用をin silicoで検討し、その抗H. pylori活性をin vitroで測定する

【結果】
MPTax(81.37mg/kg、Tax 12.29%含有)を1日2回、7日間経口投与したところ、Veh:91.9 ± 10.3 mm2に対し、潰瘍面積を63%減少させました。
タキシ五輪(10mg/kg、p.o.)は、ビヒクル投与群に対して潰瘍を40%縮小させました(p=0.07)。組織学的解析でも、これらの効果が確認されました。
タキシフォリンとMPTaxは、潰瘍部位の胃ムチン量を増加させ、ミエロペルオキシダーゼ活性を低下させ、グルタチオン還元体量を増加させました。
しかし、MPTaxだけが潰瘍部位のリポペルオキシドの蓄積を減少させました。
さらに、タキシフォリンとMPTaxは、カタラーゼとグルタチオンS-トランスフェラーゼ活性を正常化させました。
タキシフォリンはH+/K+-ATPaseと可逆的な相互作用を示し,抗H. pylori作用が確認されました(MIC = 625 μg/mL)。

【結論および可能性】
これらのことから,タキシフォリンの抗潰瘍作用は,H+/K+-ATPaseおよびH. pyloriとの相互作用に加え,胃の保護因子の強化が関与していることが示唆されました.
タキシフォリンの潰瘍治癒作用が胃粘着性微粒子によって促進されたことを考慮すると、このアプローチは酸消化性疾患の治療のための経口投与に有望であると考えます。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0009279721000818