(vivo)腸内細菌叢の調節作用(2021. Feb)

【研究の背景】
タキシフォリンは、さまざまな生物活性を持つ天然の抗酸化ポリフェノールであり、人間の腸の健康に多くの有益な効果をもたらします. しかし、大腸炎に対するその機能についてはほとんど知られていません。

【研究の目的】
デキストラン硫酸ナトリウム (DSS) 誘発大腸炎マウスを使用した大腸炎の症状、炎症、シグナル伝達経路、および大腸微生物叢に対するタキシフォリンの保護効果の検証

【結果】
タキシフォリンの事前投与は、DSS チャレンジ マウスの大腸炎の症状と組織学的変化を軽減しました。タキシフォリンを投与することで、TNF-α、インターロイキン(IL)-1β、IL-6の分泌が有意に抑制され、IL-10、分泌型免疫グロブリンA、スーパーオキシドジスムターゼ、免疫グロブリン(IgA, IgG, IgM)の分泌が有意に増加することが確認されました。さらに、核因子κB(NF-κB;p65およびIκBα)シグナルの活性化は、タキシフォリン投与により有意に抑制されました。

【結論および可能性】
タキシフォリンが、NF- κ B シグナル伝達経路を阻害し、腸のバリアを強化し、腸内細菌叢を調節することにより、大腸炎を予防する大きな可能性があることがわかりました。

これらのことから、タキシフォリンは腸内細菌叢のバランスをとることで、大腸の調子をよくすることが期待できます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33664740/