【研究の背景】
抗炎症作用を持つ強力なフラボノイドであるタキシフォリンは、β-アミロイド (Aβ) の蓄積を減少させ、Aβ による神経毒性を軽減することが報告されています。しかし、Aβ誘発神経毒性に対するタキシフォリンの詳細な分子メカニズムはほとんど知られていません。
【研究の目的】
可溶性Aβオリゴマーによって誘発される認知機能とシナプス形成の障害に対するタキシフォリンの保護効果とその根底にあるメカニズムを明らかにする
【結果】
タキシフォリンが濃度依存的に神経細胞死を抑制すしますが、アルツハイマー病 (AD) モデルマウスでは大幅に低くなることが確認されました。また、タキシフォリン投与ににより、モデルマウスの空間認識および空間記憶障害を抑制しました。そのほかにも、タキシフォリンは、Aβ42によって誘導されるPSD 95の発現レベルの低下および、サイトゾルホスホリパーゼA2(cPLA2)と神経炎症性分子であるプロスタグランジンE2(PGE2)の含有量を大幅に減少させました。
【結論および可能性】
これらの結果は、タキシフォリンがcPLA2とPGE2を減少させることにより、Aβ42オリゴマー誘発シナプスと認知機能障害を防ぐ可能性があることを示しており、認知症治療に期待ができます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29542038/