マラソンとタキシフォリン

1970年頃に第一次マラソンブームが起こり、このころからジョギングという言葉が社会に浸透しました。その後、2003年に始まった東京マラソンがきっかけにブームが再燃し、2013年に開催された東京マラソンの当選倍率は10倍を超えるほどのものでした。コロナ禍の影響や参加費の高騰などもあり、最近は定員割れの大会も増えているようでブーム終焉とも言われていますが、有酸素運動の代表であるランニングがダイエット効果、ストレス解消、体幹力の向上など、多くの健康増進効果があることから、マラソンは市民スポーツのひとつとして、定着しているようです。
一方で、マラソンは長時間にわたって循環器(心臓)や運動器(足)を酷使するため良いことばかりではありません。また強度の高いマラソンほど脳へのダメージが大きいことや、有酸素トレーニングがコルチゾール(ストレスホルモン)値を上昇させることがわかっており、マイナス面もあるのです。さらに、有酸素トレーニング中は呼吸数が増して酸素が豊富な体内環境となり、有害な活性酸素が酸化ストレスを生み出し、身体のダメージを修復してくれる抗酸化物質を激減させてしまうというのはすでに定説となっています。また、別の研究で、コルチゾールの上昇が筋力・筋肉量の低下につながるという報告もありますので、高齢期のマラソンはサルコペニア(加齢による筋肉量の減少)に要注意です。

ではどうすればいいのでしょうか。
フルマラソンは、完走したときの達成感はとても大きいものある一方で、初心者にとって経験したことがないような長い時間にわたる有酸素運動をするわけですから、十分な身体的、精神的な対策が必要となります。よく言われていることとして、日頃から高たんぱく、高エネルギーの食事メニューにすることと、走る前や走った後は筋肉の合成に関与しているアミノ酸(BCAA)を積極的に摂る事が推奨されています。また、音楽を聴いたり、景色を眺めたり、自分なりの楽しみ方を見つけてリラックスして走ることも重要です。
もうひとつ重要なのが、長時間にわたり大量に生み出される活性酸素(酸化ストレス)の対策です。長距離ランナーが活性酸素や乳酸除去を目的に水素吸引しているのは知られていますが、世界的に名高いストレングス&コンディショニングの指導者のチャールズ・ポリキン氏は、抗酸化物質やプロバイオティクスのサプリメントを摂取することを推奨しています。

関連するタキシフォリンの働き

海外では、タキシフォリンは神経筋系のスピードとパワーを高めたり、有酸素および無酸素性作業能力の向上を促進したり、アスリートの情緒安定性を高めるなどの有用性が報告されており、ドーピング成分が含まれていないことからスポーツ医学分野で推奨されてます 。
また、スポーツ選手向けの製品にタキシフォリンを加えると、身体システムの機能状態を正常化し、細胞呼吸プロセスを刺激し、さらに選手の情緒安定性と身体能力を高めた報告がある。
(Tokaev E.S., Manukyan G.G., Titova M.E., 2009)