花粉症とタキシフォリン
花粉症の季節がやってきましたね。関東地方では、スギの花粉が1月に飛散がはじまり、ピークは3月中旬です。一方で、ヒノキの花粉は2月から始まり、ピークは4月中頃で、ゴールデンウィークまで続きます。
花粉症の罹患率は1998年に19.6%だったものが、2019年には42.5%まで急増し、国民的な健康課題となりました。そのため、昨年5月には「花粉症に関する閣僚会議」が発足し、花粉症の実態を正確に把握し、発生源や飛散対策、予防・治療法の充実を含む対策を、関連機関と協力して行うことが決定されました。
日本特有の現象であるスギ花粉症は、スギが日本独自の種であることが主因です。増加の原因としては、食生活の変化や腸内細菌の変動、感染症の減少だけでなく、大気汚染や喫煙も花粉症患者の増加に寄与しています。高齢者の有病率が低いことからも、現代食が影響している可能性が指摘されています。
花粉症はくしゃみや鼻水などの症状を引き起こし、これにより生活の質や仕事のパフォーマンスが低下し、経済的な損失も発生しています。報告によれば、1日あたり2215億円の経済的損失が発生しており、景気にも悪影響を及ぼしています。
ではどうすればいいのでしょう。
一般的な対策としては、外出時にはサングラスやメガネ、マスク、帽子、花粉を払う習慣を採り入れ、帰宅時にはうがいや顔の洗浄を徹底することです。また、鼻水やくしゃみには市販薬を利用するか、早めに医療機関を受診することが重要です。
最近注目されているのは、腸内環境を整えることが花粉症対策になるということです。
そのためには、乳酸菌、オリゴ糖や食物繊維を積極的に日常の食事に取り入れることです。具体的には、ヨーグルトや乳酸菌飲料、ぬか漬け、味噌、キムチ、納豆などの発酵食品、リンゴやバナナなどの果物、ごぼうやキャベツなどの野菜、豆類、キノコ類、はちみつ、玄米・きのこ類・海藻・ごぼう・そば・かぼちゃなどの食物繊維が多いものがおすすめです。
そのほかに、ポリフェノールは、抗酸化作用があり、花粉症をはじめとするアレルギー疾患にもよい影響があるといわれています。
関連するタキシフォリンの働き
花粉症は、花粉が鼻や目の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合し、その結果、肥満細胞からヒスタミンなどが分泌することで発症しますが、タキシフォリンは肥満細胞および肥満細胞を介したアレルギー反応に対する抗炎症作用・抗アレルギー作用があることが報告されています。
(Shunli Pan ,et al;International Immunopharmacology,71,205-214, 2019 )
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