(vitro)アレルギー性炎症反応に対する阻害効果(2019. Jun)
【研究の目的】
肥満細胞および肥満細胞を介したアレルギー反応に対するタキシフォリンの抗炎症作用および抗アレルギー作用を検討する
【結果】
免疫グロブリンE(IgE)/抗原(Ag)により誘導される骨髄由来マスト細胞(BMMCs)およびラット好塩基性白血病(RBL)-2H3細胞の活性化、ならびにPMA+A23187で誘導するヒトマスト細胞株(HMC-1)の活性化に対する効果を評価した結果、タキシフォリンは、細胞内 Ca2+ の動員を阻害することにより、脱顆粒、ロイコトリエン C4 (LTC4) の生成、インターロイキン 6 (IL-6) の生成、シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2) の発現を抑制しました。BMMC細胞では、細胞内Ca2+の動員、ホスホリパーゼCγ(PLCγ)およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPKs)のリン酸化、細胞質ホスホリパーゼA2(cPLA2)および5リポキシゲナーゼ(5-LO)の移動、Akt/IKK/INF-κB 経路がブロックされ、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現が増加しました。さらに、タキシフォリンは、Sykのリン酸化を抑制しましたが、FynとLynには影響を与えませんでした。タキシフォリンは,Akt/IKK/NF-κBおよびMAPKs/cPLA2シグナル経路を介したRBL-2H3およびHMC-1細胞の活性化も阻害しました.
また、タキシフォリンで処理すると、マスト細胞を介した受動的皮膚アナフィラキシー(PCA)反応が減弱されました。
【結論および可能性】
これらのことから、タキシフォリンがアレルギー性疾患や炎症性疾患の治療薬の候補となる可能性を示唆しており、今後の治療に役立つことが期待されます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1567576918309664