(vitro)消化酵素(α-グルコシダーゼ、α-アミラーゼ、膵臓リパーゼ)に対する阻害効果(2020.May)

【研究の目的】
タキシフォリンの3種(α-グルコシダーゼ,α-アミラーゼ、膵リパーゼ)の消化酵素に対する阻害活性をin vitroおよびin vivoの両方で検討する
【結果】
α-グルコシダーゼ,α-アミラーゼおよび膵リパーゼに対して阻害作用を示し,IC50値はそれぞれ0.038,0.647および0.993 mg/mLでした。阻害動態からタキシフォリンはα-グルコシダーゼおよびα-アミラーゼに対して競合阻害剤に近い作用を示し,膵臓リパーゼに対しては非競合阻害剤であることが示唆されました。
タキシフォリンの結合により酵素の固有蛍光強度が消光し,さらに蛍光滴定により結合定数(lgKa)および結合部位数(n)が算出されました。lgKa の値は 4.93-6.65 の範囲にあり,n の値はすべて 1 に近い値でした。分子ドッキングの結果、タキシフォリンは水素結合、π-πスタックなどの多くの種類の二次的相互作用を介してα-グルコシダーゼおよびα-アミラーゼと相互作用することが示唆されました。In vivo研究では、タキシフォリンの前投与は、ラットの食後高血糖を有意に改善することができることが明らかになりました。さらに、膵臓リパーゼを阻害することにより、トリグリセリドの吸収を減少させることがわかりました。

【結論および可能性】
これらのことからタキシフォリンは糖尿病予防に効果が期待されます

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0141813019403796