(vitro)神経細胞の保護効果(2019. Apr)

【研究の背景】
脳血流障害は、脳細胞の大量死を引き起こす。海馬の細胞培養では、40分間の酸素・ブドウ糖欠乏(虚血様条件、OGD)により、80%以上の細胞が死滅することが観察されています。しかし、GABA作動性ニューロンの中には、酸素・グルコース欠乏条件に対して脆弱性が増加する特徴を持つ集団が存在します。
我々は蛍光顕微鏡、免疫細胞化学的アッセイ、バイタリティテスト、PCR解析を用いて、GABAニューロン集団が、OGDに対して異なる(速い)Ca2+ダイナミクスを示すこと、OGD条件下で基礎ROS産生が増加することを明らかにしました。

【目的】
タキシフォリンのコレステロール酸化産物誘発性神経細胞アポトーシスの軽減効果の検証

【結果】
タキシフォリンは、GABAニューロンにおける過剰な活性酸素産生と不可逆的な細胞質Ca2+濃度の上昇を抑制し、これらのニューロンの死とニューロンネットワークのさらなる興奮を防ぐことができました。

【結論および可能性】
タキシフォリンの神経保護効果は、24時間培養した後に増加し、抗アポトーシスおよび抗酸化遺伝子Stat3 Nrf-2 Bcl-2, Bcl-xL, Ikk2、およびAMPAおよびカイニン酸受容体サブユニットをコードする遺伝子の発現増加と相関しており、さらにタキシフォリンはプロオキシダント酵素NOSおよびプロインフリマサイトカインIL-1βの発現を減少させました。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1044743118302392