(vivo)多形性膠芽腫の発症抑制(2021. Aug)

【研究の背景】
多形性膠芽腫は、最も一般的な原発性悪性脳腫瘍であり、その予後は極めて不良である。mTORは、PI3K/Aktシグナル伝達経路の重要な下流分子であり、成長因子、栄養素、エネルギー源からの入力信号を統合し、複数の細胞応答を通じて細胞の成長と増殖を制御します。mTOR/PI3Kデュアルターゲット治療は、様々な癌の管理において有望であることが示されています。

【研究の目的】
タキシフォリンが、膠芽腫(GBM)においてmTOR/PI3Kを阻害し、オートファジーを促進し、脂質合成を抑制することの検証

【結果】
インシリコ解析では、タキシフォリンはmTORのラパマイシン結合部位およびPI3Kの触媒部位(p110α)に結合できることが示されました。in vitroの実験では、タキシフォリンは5つの異なる神経膠腫細胞株でmTORとPI3Kの活性を阻害しました。最後に、タキシフォリンがマウスの腫瘍を抑制すること、オートファジー関連遺伝子LC3B-II、Atg7、atg12、Beclin-1の発現を促進すること、脂肪酸合成関連遺伝子C/EBPα、PPARγ、FABP4、FASの発現を阻害することが示されました。
【結論および可能性】
このことから、タキシフォリンは、GBMの治療に有用な薬剤である可能性が示唆されており、がんの臨床において潜在的な素材であること期待されます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34462635/