心停止後症候群に適応する先進医療として、慶應義塾大学病院などで取り入れられている水素ガス吸入療法。心停止時の脳の酸素不足によるダメージを軽減させるもので、世界初の治療法として2016年に承認されました。
まだ検証段階ではありますが、同大学病院のホームページでは「この技術が確立されれば、心停止後症候群以外の病状にも応用が容易になります。水素吸入自体には、大掛かりな装置は不要ですので、簡便に効果的な治療が行えるようになります。まさに画期的な治療です」と紹介されています。
水素吸入療法は、体内に取り込んだ酸素が活性化した悪玉の「活性酸素」の除去に働くため、活性酸素が関与するさまざまな疾患の改善や予防の効果が期待されています。例えば皮膚であればシミ・シワやアトピー、脳であれば認知症、呼吸器なら気管支喘息、循環器なら心筋梗塞……などたくさんの疾患がありますが、そもそも老化に関わるものですから、活性酸素は万病のもとです。
善玉である活性酸素はそのままに、酸化力が強く老化を促進する活性酸素のみを選択して除去する水素吸入療法は、体にも優しいもの。現在では、水素サロンだけでなく、皮膚科や耳鼻科などクリニックでも採用するところが増えています。
また自宅で水素水が作れたり、お風呂で水素を発生させて水素風呂ができたりと、さまざまなホームユースアイテムもあります。クリニックでの水素吸入は自費診療となり比較的高額ですから、自宅で安価に試せるのはメリット。また例えば喘息やアトピーのある小さなお子さんでも、苦手な病院へ行くことなく自宅で行えるのもポイントです。
秋から冬は喘息やアトピーなどが悪化する時期。水素吸入により劇的に良くなることはありませんが、毎日継続することで改善を実感できるかもしれません。水素吸入療法についてはまだまだ研究段階ですが、先進医療としても用いられているものですから、気になる方はぜひクリニックやご自宅で試してみてください。