テレビの健康番組などでおなじみの、玉ねぎなどに多く含まれる「ケルセチン」。このケルセチンもポリフェノールの一種で、特に玉ねぎの皮に多く入っているほか、緑茶やそば、りんごや柑橘類に含まれているそうです。

ケルセチンの代表的な働きは、血液のサラサラ効果です。私たちの血液の中に流れている赤血球は、体中に酸素を運ぶ機能があります。ところが活性酸素によって硬くなってしまった赤血球は、その形を自在に変形する能力を失ってしまい、細い血管に入り込めなくなってしまいます。そこでケルセチンは、活性酸素を取り除き、赤血球が正常に働けるようサポート。玉ねぎエキスが血管や血流を正常に機能させる役割を持つことは、研究でも明らかになっているのです。

さらに悪玉(LDL)コレステロールや血中コレステロール値を低下させるパワーを持つケルセチン。血液が滞りなく流れる軟らかい正常な血管を作り、悪玉コレステロールの蓄積や酸化を防止して動脈硬化から身を守ってくれます。

 

動脈硬化のほかに、糖尿病の改善効果もあることが報告されています。糖尿病モデルマウスに、ケルセチンを0.1%、0.5%それぞれ含んだ食事を与えると、ケルセチンが入っていない通常食を摂取したマウスよりも、血糖値の低下とインスリン濃度の上昇が見られたという研究も。このほか、ケルセチンを配合した食事を摂取したマウスの体重や脂肪重量の増加の抑制、高血糖・血中インスリン濃度・コレステロール濃度の各上昇や、肝臓への脂肪蓄積も改善。肥満・メタボ対策としても、ケルセチンは有効な素材といえるでしょう。

サントリーでは、ケルセチンが糖と組み合わさったケルセチン配糖体で、体脂肪低減効果を確認。「脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体の働きにより、体脂肪を減らすのを助けます」というトクホの『特茶』を販売しています。このケルセチンは「エンジュ」とよばれるマメ科の木の花のつぼみからとれるもので、なんとペットボトル1本でなんと玉ねぎ3個分のケルセチン配糖体が含まれているそうです。

そして最近では認知機能改善効果のある機能性素材としても注目を集めています。ケルセチンを摂取することでアルツハイマーのモデルマウスや老齢のマウスの認知機能が改善したほか、軽い認知症を発症した5名の患者を対象にした摂取前後の認知症検査では、農研機構北海道農業研究センターで開発したケルセチン高含有玉ねぎを食べたときのみ、記憶機能の中で「思い出す」想起機能の点数が良くなることがわかりました。

このほかにも、認知症でない65~84歳の男女30名ずつを2グループに分け、ケルセチン高含有玉ねぎと白玉ねぎを5か月間摂取してもらったところ、ケルセチン高含有玉ねぎを摂取した年齢の若い群では、記憶力や計算力、日付など「自分の置かれている状況」を認識する力の評価点数が高くなるなど、“認知症ではない高齢者”の認知機能にも好影響を与えることがわかりました。

 

このようにケルセチンは、生活習慣病対策や認知機能改善など、さまざまな力を持っています。ケルセチンは油と一緒に摂取することで吸収効果が高まるそうです。調理をする際には植物油や肉類などとともに食べるとより効果的だそうですよ。

https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/i-kobori.pdfhttps://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/1803/chosa03.html