まず、紫外線の正体は何かというと、肌の老化やシミ・シワの原因となる外的要因の一つです。特に、UV-AとUV-Bの2種類の紫外線が私たちの肌に影響を与えます。
波長の違うUV-AとUV-Bは、それぞれ肌に与える影響が異なります。

・UV-A(紫外線A波)

・波長が長く、肌の奥深く(真皮層)まで到達する
・コラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみの原因になる
・肌を黒くする(日焼けの遅延性黒化)

・UV-B(紫外線B波)

・波長が短く、肌の表面(表皮層)にダメージを与える
・日焼けによる赤み・炎症・ヒリヒリ感の原因となる
・メラニン生成を促進し、シミやそばかすを引き起こす

飲む日焼け止めの仕組み

「飲む日焼け止め」とは、一般的に 紫外線による肌ダメージを体の内側から軽減するためのサプリメントです。従来の日焼け止めといえば、肌に直接塗るクリームやスプレータイプですが、体の内側から紫外線対策をサポートするという新しいアプローチが注目を集めています。こうしたサプリメントには、主に以下のような成分が含まれており、紫外線を浴びた際に発生する活性酸素の働きを抑制し、シミやシワの予防につながります。

・抗酸化成分(ポリフェノール、ビタミンC、ビタミンE など)
紫外線によって発生する活性酸素を抑え、肌のダメージを軽減する働きがあります。

・フィトケミカル(ケルセチン、タキシフォリン など)
植物由来の成分で、抗炎症作用や抗酸化作用が期待されています。

・水素
活性酸素に作用し、酸化ストレスから細胞を守る働きがあるとされています。

これらの成分が配合された「飲む日焼け止め」は、紫外線によるダメージを防ぐだけでなく、美肌やエイジングケアにも役立つとされ、美容や健康に関心のある方々から注目を集めています。

「飲む日焼け止め」と「塗る日焼け止め」の効果の違い

塗る日焼け止めは、肌の表面に直接塗布することで、紫外線を物理的または化学的にブロックし、前述のUV-AやUV-Bといった紫外線から肌をしっかり守ります。

一方、飲む日焼け止めは、サプリメントとして体内から紫外線によるダメージを軽減することを目的としています。主に配合される抗酸化成分は、紫外線を浴びることで発生する活性酸素を抑制し、細胞へのダメージを軽減するとされています。これにより、肌の炎症を抑えたり、紫外線による老化のリスクを低減したりする効果が期待されます。

飲む日焼け止めのメリット

・全身に効果が期待できる
顔だけでなく、首や腕、足など、塗りにくい部位も含めて、体のすみずみまで紫外線対策が可能。塗りムラの心配もなく、均一なケアが期待できます。

・汗や水で流れない
プールや海でのレジャー、炎天下でのスポーツ時でも影響を受けにくく、日差しの下でも安心。こまめな塗り直しが難しい場面でも、内側からのケアで紫外線対策をサポートします。

・塗る手間が不要で手軽
毎日のスキンケアや健康習慣の一部として手軽に取り入れられ、忙しい朝でも簡単。塗るタイプのようにベタつく心配がなく、服やメイクを気にせず使えるのも魅力です。

・肌ダメージの軽減
抗酸化作用により、紫外線による酸化ストレスを和らげ、日焼けによる赤みや肌荒れを軽減。さらに、肌のハリや透明感を守るサポートも期待できます。

日焼け止めの注意点

・即効性はない
摂取した直後に紫外線を防ぐわけではなく、体内で抗酸化作用が働くまでに時間がかかります。そのため、日常的に継続して摂ることが重要です。特に、紫外線が強くなる季節の前から意識して摂取すると、より効果的なサポートが期待できます。

・単独では紫外線を完全に防げない
飲む日焼け止めは紫外線による酸化ストレスを軽減するサポートをしますが、塗る日焼け止めのように直接UVをブロックするものではありません。紫外線のカット率は塗るタイプほど高くないため、外側からのケア(塗る日焼け止めや帽子・サングラスなど)との併用が理想的です。

・成分に注意
配合されている成分が体質に合わない場合、アレルギー反応や体調への影響が出ることがあります。事前に成分表を確認し、自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。

まとめ

飲む日焼け止めは、紫外線による肌ダメージを内側からケアする新しいアプローチとして注目されています。特に、抗酸化成分や水素などが活性酸素の発生を抑えることで、肌を守り、紫外線ダメージの蓄積を軽減する効果が期待されます。

しかし、飲む日焼け止めだけでは紫外線を完全に防ぐことはできません。そのため、塗る日焼け止めや帽子・サングラスなどの外側からの対策と組み合わせることで、より強力でバランスの取れた紫外線ケアが可能になります。

日々の紫外線対策として、自分のライフスタイルや肌の状態に合った方法を選び、内側と外側の両面からしっかりと紫外線対策を行うことが大切です。

 

【参考】

・日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「日焼け」
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/index.html

・環境省 紫外線による健康影響
https://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/02.pdf

・花王 スキンケアナビ
https://www.kao.com/jp/skincare/skin/