5月に入り30℃近い気温になる日もありますが、これほどまでに季節の変化を感じない年はありません。気づけば桜もチューリップもツツジも、すっかり終わってしまっていますね。アジサイの季節には、このコロナ禍が収束に向かうことを願います。

今回は「一番風呂」についてです。誰も入っていない、まっさらな水での入浴はなんといっても気持ちがいいですよね。ところがこの一番風呂は、体にはあまりよくないのです。皆さんも経験があるかと思いますが、まっさらなお湯につかると、肌がピリピリするような感覚がします。これこそが「一番風呂が体に悪い」とされる証拠です。

日本は地形上の理由から軟水が多く、水道水にミネラルはほとんど含まれていません。一方人の皮膚の内部には、さまざまな細胞や血液など体液があり、この体液にはたんぱく質やミネラルが含まれています。そのため体液は、お風呂に使用する水道水よりもずっと濃度が高いのです。濃度の薄い水道水は体に皮膚内部に入り込むので、指先がふやけてシワシワになることがあります。この結果、肌が敏感な人はトラブルにつながっていくことも。また、「世界一安全」とも言われる日本の水道水は、菌の繁殖を防ぐために塩素が含まれており、この塩素の刺激がアトピー症状のある人や敏感肌の人のトラブルの原因となり得ます。

しかし誰かが入った後の「二番風呂」であれば、一番風呂の人の皮膚に付着した汚れ・皮脂・角質・汗などがお湯の中に溶け込んで、水質が変化します。人の体液に近い成分にわずかながら近づき、塩素を中和してその働きを弱めるため、二番風呂はピリピリとした肌触りがなくなり快適に入浴できるようになるということです。誰かが入った後のお風呂は、お湯が柔らかく感じるときがありますが、これがその理由なのです。

 

以上のことから、なるべく二番風呂以降に入ることがお勧めなのはご理解いただけると思います。が、浴槽の水を張り替えたら必ず「一番風呂」が発生するわけです。家族の中で最も皮膚の強い人に一番風呂を譲り、アトピーや敏感肌の人は最後に入るというのがベストでしょう。

しかし大切な家族に、わざわざ体に悪いとされる一番風呂を勧めるのも気が引けますよね。また一人暮らしであれば二番風呂自体が不可能なこともあります。そんなときは入浴剤で水質を変化させるのも一つの手。ミネラルのたっぷり入った入浴剤を入れれば、お湯は体液に近づき、不快なピリピリも抑えることができます。

 

最近では浴槽に悪いとの理由で入浴剤を使わない人もいらっしゃいますが、そんな方には以前、当コラムでご紹介したお風呂浄水器の使用がおすすめです。水道水に含まれた塩素を除去できるので、一番風呂のデメリットが解消されます。浴槽に置いて使用する小型タイプなど、使いやすいものも多いので、ぜひ調べてみてください。

 

冒頭にも書いた通り、今年は季節感がありません。とはいえ、すでに夏。「湯に浸かるのが暑くてつらい」「そろそろシャワーのみにしようかな」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かにスッキリ・サッパリするだけならシャワーでいいかもしれませんが、季節の変わり目こそ体を大切にしたいもの。自律神経を整える入浴習慣を継続し、免疫力のアップをめざしましょう。