お口の健康コラム

ていねいを、毎日に。

秋は、おいしいものがたくさん並ぶ季節です。りんご、栗、焼き芋。そして新米。その「おいしい」を毎日味わえることは、じつはお口の健康に支えられています。11月8日の「いい歯の日」にあわせて、今日からできるお口の習慣を、やさしく整理してみました。

結論

お口の健康は、毎日の楽しみと、全身の元気を支える土台です。特別なことは必要ありません。毎日のていねいな歯みがきと、年に一度の見直しが、いちばんの近道です。

虫歯と歯周病

虫歯と歯周病、どう違う?

虫歯

歯そのものが溶けていくもの。若い頃に気にされた方も多いと思います。

歯周病

歯を支える歯ぐきや骨に炎症が起きるもの。年齢を重ねるほど、歯を失う大きな原因になっていきます。

厚生労働省の「歯科疾患実態調査」では、歯周ポケット(歯と歯ぐきの溝)が4mm以上ある方の割合は、45歳以上で過半数とされています。歯周病は、特別な人の話ではなく、多くの方に身近なものです。

初期は痛みが出にくく、気づかないうちに進むことが多いのも特徴です。だからこそ、毎日の習慣と定期的なチェックが大切になります。

全身とのつながり

お口と全身のつながり

近年、お口の健康と全身の健康には関わりがあることが分かってきました。

  • ✓歯周病は、糖尿病をはじめ、心疾患や呼吸器の病気などとの関連が報告されています(なかには、まだ十分な根拠がそろっていないものもあります)
  • ✓歯を多く失うと、かむ力や飲み込む力が弱まり、食事が偏りやすくなります。その結果、栄養が足りなくなるリスクが高まると言われています

いずれも「だから不安に思いましょう」という話ではありません。毎日のお口のケアは、おいしく食べ続けることと、全身の健康づくりの両方につながっている、ということです。

毎日のお口のケア、おいしく食べる、全身の元気が、ぐるりとつながっていることを示した図解

  1. 1毎日のお口のケア歯みがき・フロス・歯間ブラシで、お口を清潔に。
  2. 2おいしく楽しく食べるしっかりかんで、素材を味わう。
  3. 3全身の元気笑顔でイキイキと毎日を過ごせる。

そしてまた、毎日のケアへ。ぐるりと続く、前向きな循環です。

8020運動

「8020(ハチマル・ニイマル)運動」とは

1989年に、当時の厚生省と日本歯科医師会が提唱した運動です。「80歳になっても、自分の歯を20本以上保ちましょう」という意味です。

約2人に1人

2016年の調査では、75〜84歳で20本以上の歯がある方は約51%。当初の目標だった5割に届いています。

20本以上あれば、硬いものでもほぼ満足にかめると言われています。「好きなものを、いつまでも自分の歯で味わう」ための、ひとつの目安です。

今日からできること

今日からできる、小さな習慣

歯みがきのポイント

歯ブラシをえんぴつのように軽く持つ(1)、毛先を歯と歯ぐきの境目に45度で当てる(2)、小刻みに動かす(3)を示した図解
  1. 歯ブラシは、えんぴつを持つように軽く握る。力を入れすぎないことが大切です。
  2. 毛先を、歯と歯ぐきの境目に45度で当てる。
  3. 小刻みに、軽い力で動かす。1〜2本ずつ、ていねいに。
  4. 歯と歯のあいだは、デンタルフロスや歯間ブラシで。歯ブラシだけでは、汚れが残りやすい場所です。すき間が狭ければフロス、広ければ歯間ブラシが向いています。
  5. 年に1度は、かかりつけの歯科で定期検診を。自分では気づきにくい変化を見てもらえます。

歯みがき剤は、どう選ぶ?

日本で販売されている歯みがき剤の多くは「医薬部外品」で、基本の成分に加えて、薬用成分が配合されています。目的によって、いろいろな種類があります。

  • ✓フッ化物(むし歯の予防を目的としたもの)
  • ✓抗炎症成分(歯ぐきの健康を目的としたもの)
  • ✓殺菌成分(お口を清潔に保つことを目的としたもの)

ただし、薬用成分に頼りすぎず、毎日のていねいな歯みがきが基本です。ご自身のお口の状態に合わせて、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に相談しながら選ぶと安心です。

11月8日の「いい歯の日」は、
お口を見つめ直す
きっかけにしてみませんか。

参考にした情報(出典)