人が生命活動を維持するには、六大栄養素(糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)が必要ですが、その中のミネラルにマグネシウムは含まれます。
ミネラルとは、人体を構成する酸素、炭素、水素、窒素を除いた元素の総称であり無機質とも呼ばれます。体重の約5%を占めるといわれ、身体の組織を形成し、更に身体の機能を維持し調整するのに大切な役割を果たします。ミネラルの中でも、特に重要なのは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ナトリウムなどです。
マグネシウムとは
マグネシウムは、骨や筋肉に多く存在し、ほとんどすべての生合成反応や代謝反応に必要とされるミネラルの1種です。カルシウムと共に骨の健康を維持するためにも必要な微量栄養素です。
マグネシウムの吸収と働き
マグネシウムは、空腸や回腸で10~70%が吸収され、全身の組織に運ばれます。約60%が骨に、約40%が筋肉と軟組織(腱・脂肪・血管・リンパ管・末梢神経など)に、約1%が細胞外液に存在し、300種類もの酵素の働きを補佐し、下記のような働きをします。
・刺激に対する神経の興奮を鎮め、筋肉の収縮を促します。
・ビタミンB群と共に、糖質、脂質、タンパク質、の代謝や核酸の合成に働きます。
・軟組織にカルシウムが沈着するのを防いで、筋収縮を制御します。
・血液を固まりにくくします。
・体温や血圧を調整します。
マグネシウムが不足するとどうなるのか?
通常の食生活であれば、不足する心配はありませんが、近年の食生活の変化により、以前に比べ不足しがちなミネラルとされています。
慢性的な不足は、不整脈を起こし、循環器系(血管、血流)に障害を起こす可能性もあります。また、大量のアルコール摂取や利尿薬も腎臓からマグネシウムが大量に排出されるため、欠乏する可能性があるので注意が必要です。
また、安全性が高いことから妊婦さんの便秘薬として処方されるほどですので、
過剰摂取は下痢を起こすことがあります。
マグネシウムの摂取量
マグネシウムは、精製や加工をしていない食品から摂取されます。カルシウムを摂取するとマグネシウムの排出量が増えるので、Ca:Ma=2:1 の割合で摂取することが理想的です。
マグネシウムを含む食べ物
マグネシウムを多く含む食品として代表的な物は、スルメ、イワシ丸干し、浅利、干しエビ、昆布、保持器、カキ、アーモンド、大豆、落花生 などです。
まとめ
マグネシウムは、幅広い食品に含まれるため身体に取り入れやすいですが、ファーストフードやインスタント食品ばかり食べている方は危険信号です。食生活を見直し、健康な身体作りの基本を目指しましょう。