浄水した水と普通の水道水では洗顔の効果は違うのでしょうか。結論から言えば、違います。ただし、単に浄水器といっても様々なものがあります。アルカリイオン水を作るものや、酸性水を作るもの、いろんな種類があります。人間の体液は弱アルカリ性(pH=7.4ほど)とされており、飲料水として用いる場合には、アルカリイオン水が使われる場合が多いと思います。しかし、今回は洗顔のお話ですから、以下、洗顔の際に水道水がいいのか、浄水した水がいいのか、浄水の場合、どんな水がいいのか、についてそれぞれ見ていきましょう。

まず水道水にはカルシウムやマグネシウムなどが含まれていて、洗顔した場合、これが皮膚に沈殿することで、肌荒れの原因になってしまします。水道水で洗顔すると乾燥の原因になる、などといわれることがありますが、実際に、水道水での洗顔で皮膚が乾燥したり、突っ張ったりという感覚を持った方も多いでしょう。こういう場合、人がとりがちな行動が、保湿クリームを使うということです。これはもちろん合理的な行動だと言えます。皮膚が乾燥してしまったから、保湿クリームを塗って、さらなる乾燥を抑える、不快感も取り除く、ということですね。しかし、これが癖になってしまうとどうでしょうか。そもそも洗顔して乾燥する、という根本の原因を置き去りにしたままで、保湿クリームを塗り続けるということは、あまり皮膚にとっても良いことだとは思えませんね。まずはその乾燥の原因を考えてあげるべきでしょう。

 

乾燥肌に悩む人の場合、水道水が皮膚の乾燥に悪い影響を与えていることは考えられることです。水道水にはすでに述べたようにカルシウムやマグネシウムのほかに、マンガンや銅などといった金属が含まれますから、その沈殿による乾燥だけでなく、皮膚表面で保湿の役割を果たしている皮脂層も破壊してしまいます。

 

次に、肌のpHについて考えてみましょう。つまり、酸性なのか、アルカリ性なのか、ということです。pHが7というのは中性であるといわれ、7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性であるとされます。人間の肌のpHは場所によって違っており、頭皮で4から6、上半身で5から5.5、下半身で5.5から6、手のひらで6.2から6.5と言われており、男性のほうが女性よりも酸性によっているともされています。

 

いずれにしてもここで重要なことは、人間の肌は酸性であるということです。逆にアルカリ性になるとアクネ菌や黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなりますから、できれば常に酸性に保っておくのが望ましいとされています。ですから、酸性水を生成できる浄水器があると、洗顔の時には強い味方になってくれるでしょう。